アイシングは怪我の回復に逆効果、という話をご存知ですか?
医学的に急性期は冷やすのが正解と言われている時期があったようですが、
一回でも短時間でも冷やすと回復が遅れる研究結果が出たそうです。
アイシングは「痛みを軽減する」、「腫れが早く引く」、
炎症を抑制する効果はありますが傷ついた組織の回復は遅くなるのです。
炎症は回復に必要な正常な過程であることが医学的に明らかになってきたそうですが、
整体ではずっと昔からそのように考えられていて、温める処置をお勧めしています。
昨日いらした方が「先生が怪我をしたときに温めるって言うのはこういうことですか?」と言って新聞の切り抜きを持ってきて教えてくれました。下のリンクは記事の元になった神戸大学での研究です。
打撲や捻挫などを含めた傷害の応急処置としてのアイシングは筋再生を遅らせることがマウス実験で明らかになった、という記事です。
アイシングは医療やプロスポーツの現場でも勧めていることなので、もちろん科学的な裏付けがあると思っていたのですが、冷やすことで回復が早まるというはっきりした根拠はないそうです。
炎症を抑制するために冷やしていたようで回復の速さについては考えられていなかったようです。
とにかく出てきた症状を抑える処置は間違いだということが医学的にも少しづつ明らかになってきたようです。最近は解熱剤や咳止めも無闇に使わないという考えが広まっています。症状は体が回復するための正常な反応だからです。
整体では人の体の反応は必要があって起きていると考えています。
だから熱や咳、下痢でも痛みでも出る物は出せばいい、
症状は回復に向かうための身体の働きの一つと捉えているからです。
出てきたものを自然に経過するのが一番いい、それで回復する力がつくと考えます。
自然に経過する力が体にないときは熱で刺激をしたり、施術で体をゆるめて回復力を促進させる、
自然治癒力を活かして治すのが整体の考え方です。
その考えは先人が長い年月をかけて積み上げてきた臨床データがエビデンスとなって生まれたものです。
整体操法は古いけど新しい健康の知恵の集積なのです。